Web上の個人情報削除依頼対応|技術×寄り添いの両軸事例

Web上に拡散した自宅情報の削除依頼を代行した情シス代行事例|進捗報告で不安に寄り添う対応

制作内容

「自分の自宅情報がWeb上に出ていて、消し方が分からない」現場の話

引っ越し前後や、過去のSNS投稿、古い名簿サイトの転載など、自分の自宅住所や個人情報が意図せずWeb上に残ってしまう ケースは少なくありません。気づいた瞬間にとても怖くなり、しかし「どこに連絡してどんな手続きをすればいいか分からない」 という壁に当たります。

今回ご紹介するのは、個人クライアントから、Web上に拡散した自宅情報の削除依頼を代行した事例 です。BENTEN Web Worksは、「スクレイピングで網羅的に把握する技術力」と「不安に寄り添う頻度で報告するコミュニケーション」の両軸 を徹底しました。技術 × 寄り添い、両方ないと個人情報削除は完結しない が、この案件で再確認したことです。

なお本記事は、個人案件のため最大限抽象化し、特定につながり得る情報は一切含めていません

クライアント概要

  • 個人クライアント
  • 状況: Web上の複数サイトに、自宅住所を含む個人情報が掲載されていることに気づいた

依頼の起点は、「精神的な不安を、誰かに代わりに動いてほしい」 という、技術以前の切実なものでした。

課題・依頼背景(Before)

  • 複数サイトに同じ情報が拡散している: 元データが転載されてしまい、削除依頼の宛先が複数になる
  • 削除申請の窓口がサイトごとにバラバラ: フォーム・メール・運営者連絡など、形式が統一されていない
  • 削除完了までの時間が読めない: サイトによって対応スピードが大きく異なる
  • 「いま何が起きているか」が分からない不安: 削除申請を出した後、進捗が見えないと不安が増幅する

情報を消すこと自体は手続き」ですが、その間ずっと続く不安そのものが、依頼者にとっての本当のつらさ でした。

提案・解決アプローチ(思考プロセスを見せる)

「削除依頼を一括で出してくれるツール」のようなSaaSもありますが、今回のケースでは、機械的な一括送信ではなく、サイトごとに丁寧に対応するほうがクライアントの安心につながる と判断しました。

案A: 一括代行ツール/自動送信に頼る

メリットは効率。デメリットは、サイトごとの個別事情に対応できず、削除されないまま放置されるリスク が残ること。今回のクライアントは「とにかく確実に消えてほしい」が最優先でした。

案B: スクレイピングで一括抽出+サイトごとの個別対応+きめ細かい進捗報告(採用)

採用したのは、まずスクレイピングでWeb上に出ている個人情報を一括抽出して全体像を確定し、サイトごとに削除申請窓口・申請方法・所要時間の見積もりを整理した上で、進捗を細かく共有しながら進め、最後に再スクレイピングで漏れがないかを技術的に検証する アプローチです。

  • 第1段階: 自動収集(スクレイピング) — 削除対象サイトを巡回し、依頼者の個人情報がどこに・どの形で残っているかを網羅的に抽出
  • 第2段階: 棚卸し(抽出結果を依頼者と確認し、削除対象を確定)
  • 第3段階: 削除申請(サイトごとに最適な窓口・形式で申請)
  • 第4段階: 進捗共有(待機状態でも「いま申請中/返信待ち」を定期的に報告)
  • 第5段階: 再スクレイピングによる検証 — 削除完了後、もう一度自動巡回して該当情報が残っていないかをチェックし、削除漏れを技術で特定
  • 第6段階: 最終報告(残存ゼロを確認したうえで完了報告)

この案件で大事にしたのは、「技術力 × クライアントの不安に寄り添う対応」の両軸 です。 「確実に消すこと(技術)」「その間の不安に寄り添うこと(コミュニケーション)」 を、両方とも仕事の本体として扱いました。

あえて採用しなかった選択肢

  • 一括削除代行SaaSの利用: 機械的な処理では、サイトごとの事情に対応できず取りこぼしリスクがある
  • 「結果が出てからまとめて報告」式: 待機時間が長いほど、依頼者の不安は増す。報告は頻度が品質
  • 法的手続きの即時提案: 必要に応じて視野には入れるが、まず通常の削除申請で対応できる範囲を尽くす

実装内容

スクレイピング→確認→削除依頼→再スクレイピング検証→完了報告
網羅性は技術で、判断と寄り添いは人で

対応領域

  • スクレイピングによる一括抽出: 対象サイト群を自動巡回し、依頼者の個人情報が残っているページ・形式を網羅的に抽出(手動目視では取りこぼすリスクを最初に潰す)
  • 掲載状況の棚卸し: 抽出結果を依頼者と確認し、削除対象を確定
  • 削除申請窓口の調査: サイトごとの申請フォーム/問い合わせ窓口/対応ポリシーを確認
  • 削除申請の代行: 申請文面を依頼者の状況に合わせて作成し、必要書類等を整理
  • 進捗報告: 「申請中」「返信待ち」「対応完了」など、ステータスを定期的に共有
  • 再スクレイピングによる削除漏れ検証: 削除完了後にもう一度自動巡回し、該当情報の残存有無を技術的にチェック。人の目視だけに頼らず、機械的に「漏れていないか」を特定する
  • 削除確認・最終報告: 残存ゼロを確認したうえで、依頼者に完了を報告

工夫した点

  • 冒頭でスクレイピングを使い、削除対象を網羅的に把握: 「どこに何が残っているか」が手元に揃った状態で、削除申請を組み立てられるようにする
  • 削除完了後に再スクレイピングで検証: 「消したつもりで残っていた」を技術で防止。人の不安を、技術でひとつずつ確定情報に変える
  • 報告は「結果」だけでなく「いま何が動いているか」も共有: 進展がない期間こそ、定期的な報告で安心を作る
  • サイトごとの所要時間の目安を最初に提示: 「いつまでに何が起きそうか」を最初に握る
  • 個人情報の取り扱いは最小化: スクレイピングで取得したデータも含め、案件中に扱った情報は削除完了後に処分

派手な技術ではなく、「確実に消える」ことと「その間に安心していられる」こと の両方を、技術と寄り添いの両輪 で担保する運用に徹しました。

成果

  • 対象情報の削除完了: Web上の該当情報を計画通りに削除
  • 不安そのものの解消: 進捗が常に手元にある状態で、依頼者の精神的な負担を最小化
  • 高評価レビュー: ランサーズ上で「信頼のできるランサー様」とのご評価をいただいた

クライアントの声(趣旨は保ち、表現は脚色):

きめ細かく進行状況をご報告いただき、的確なご対応をいただきました。安心してお任せできる相手だと感じました。

技術的な成果以上に、「不安が減った」という体験そのものが、この案件の本質的な成果 です。

私の働き様

β:検討プロセス(一人称で振り返り)

エピソード1:一括代行ツールに頼らなかった理由(→ ちゃんと動く/ビジネスに寄り添う)

効率重視で考えれば、削除申請を一括で送るSaaSを使う選択肢もありました。けれど、「効率的に申請したけれど消えなかった」という結果は、依頼者の不安をさらに悪化させる。今回求められていたのは効率ではなく確実性です。ツールの効率を提供するのではなく、結果の確実性を提供する という立ち位置を、ここで明確にしました。

エピソード2:「待ち時間」も報告対象に含めた理由(→ ビジネスに寄り添う/思考プロセス)

削除申請は、申請してから返答が来るまで待機時間が必ず発生します。待機中こそ、依頼者の不安が一番ふくらむ。「進捗がない時こそ、進捗がないことを報告する」 という運用に切り替えました。これは情シス代行の障害対応でも同じで、沈黙は不安のもと、を一貫した方針にしています。

エピソード3:法的手続きを最初に持ち出さなかった理由(→ ちょうどいい/思考プロセス)

ケースによっては法的手続きが必要になりますが、最初から重い手段を持ち出すと、依頼者を必要以上に怖がらせる。まずは通常の削除申請で対応できる範囲を尽くし、必要に応じてエスカレーションする順番にしました。「いきなり最大化しない」 のは、保守案件で一貫している判断軸です。

エピソード4:スクレイピングで「網羅性」を技術的に担保した理由(→ ちゃんと動く/思考プロセス)

依頼者から教えていただくサイトリストだけを起点に進めると、「自分も気づいていないところに残っているかもしれない」という不安が最後まで消えません。だから、最初の段階でスクレイピングを走らせ、「いま実際にWebに出ているもの」を一度自分の手元に集めました。 人が探すと取りこぼす、機械なら一定のルールで網羅できる。役割分担として、網羅性は技術に担保させ、判断と寄り添いは人がやる。これは個人情報の削除という、絶対に取りこぼしたくない領域だからこそ採用した設計です。

エピソード5:削除完了後に再スクレイピングで検証した理由(→ ちゃんと動く/ビジネスに寄り添う)

削除申請は「申請を受け付けた」という返答が来ても、実際にWeb上から消えているかは別の話です。サイト側の都合で表示が残ったり、キャッシュが効いていたりするケースもあります。だから、削除完了報告の前に、もう一度スクレイピングで巡回して残存ゼロを確認しました。 「消えました」と言うときに、人の目視と機械的な再チェックの両方を通している という事実が、依頼者の安心を一段引き上げます。技術力は、こういう場面で寄り添いに直接つながる、と再確認した案件でした。

α:コミュニケーション抜粋(自分の発言だけ)

クライアントとのやり取りから、価値観の軸が出ている自分の発言だけを抜粋します。個人案件のため、内容に関わる固有情報は完全に置き換えています。

「まず掲載状況を一通り棚卸ししたうえで、サイトごとに申請方法と所要時間の目安をご共有します。いつまでに何が起きそうか、を最初に握ってから進めたい ためです。」

「進捗がない期間も、定期的にステータスをご報告します。沈黙が一番ご不安だと思いますので、動きがない時こそお声がけします。」

「今回は通常の削除申請から進めます。最初から最大の手段を取らない のは、依頼者の負担を上げないためです。必要があれば、その都度ご相談しながら強めていきます。」

派手なツールや技術ではなく、ちゃんと動いて、ビジネス(生活)に寄り添えて、ちょうどいい 関わり方を選んでいます。

学び・横展開

このWeb上の個人情報削除案件から整理できた、BENTEN Web Worksとして他案件にも応用している判断軸は4つです。

  1. 網羅性は技術で、判断と寄り添いは人で: スクレイピング等の自動収集で取りこぼしを潰し、判断と説明は人が担う
  2. 効率より確実性を提供する局面がある: 不安を扱う案件では、効率化が裏目に出る
  3. 進捗のない時こそ進捗を共有する: 沈黙は不安のもと。報告は頻度が品質
  4. 最初から最大の手段を取らない: 順序を踏むこと自体が、依頼者の安心につながる

技術力とクライアントの不安に寄り添う対応は、別物ではなく両輪。どちらかが欠けると、個人情報削除のような案件は完結しません。

個人情報削除に限らず、「依頼者が不安と一緒に過ごす期間がある」案件すべてにこの進め方は応用できます。情シス代行の障害対応・トラブル対応でも、同じ温度感で関わるようにしています。

関連サービス

「Web上に出てしまった情報を消したい」「進捗が分からない手続きを誰かに代わりに動いてほしい」「不安な期間に伴走してくれる相手を探している」という方は、以下のサービスをご覧ください。

  • 情シス代行サービス: 個人情報削除依頼・トラブル対応・各種代行業務まで個別にご相談いただけます → /services/it-outsourcing/

派手な解決策でなく、ビジネスや生活に寄り添う改修・対応 を相談したい方は、まずは無料相談からお声がけください。

まずは無料相談から

IT担当がいない、業務を自動化したい、ホームページを改善したい。 どんな小さなお悩みでも、お気軽にご相談ください。

無料相談