Power Automate×WordPressの自動投稿フローを2回の継続発注で改修した情シス代行事例|既存ワークフローを活かす保守改修
制作内容
「Power Automateで組んだフローが、ある日意図通りに動かなくなった」現場の話
Microsoft Power AutomateとWordPressを組み合わせた自動投稿フローは、ノーコードで構築されているケースが多く、作った担当者が異動・退職した瞬間に保守できる人が社内からいなくなる という問題を抱えがちです。
今回ご紹介するのは、Webメディア運営のクライアントから、Power AutomateとWordPressをつなぐ自動投稿フローの改修を、2回にわたって継続発注いただいた事例 です。BENTEN Web Worksは、別ツールへのリプレースを提案するのではなく、「既存ワークフローを活かして、必要な動作だけ確実に直す」 という方針で対応しました。
クライアント概要
- 業種: Webメディア/コンテンツ運営
- 規模感: 中小規模
- 構成: Power Automate(クラウドフロー)→ WordPress REST API への自動投稿
ノーコードで組まれた既存フローを、現場の運用に合わせて少しずつ改修していくフェーズ にあるクライアントでした。
課題・依頼背景(Before)
- 動いていたフローの一部が、想定通り動かない: ノーコードの設定変更やAPI仕様変更が積み重なった結果、所々で挙動がずれていた
- 詳しい人がすぐ確保できない: ノーコードであっても、Power Automate × WordPress REST APIの組み合わせを把握している人材は社内に常駐していない
- 業務が回っているうちは止められない: 自動投稿が止まると、メディア運営側の手作業が増える
- 追加要望もある: 障害対応だけでなく、運用に合わせた小さな機能追加も並行して必要
「動いてはいるが、ところどころ気持ちよく動かない」という、保守に近い改修案件の典型でした。
提案・解決アプローチ(思考プロセスを見せる)
「いっそコード基盤に乗せ替えたほうが、長期的に楽になる」という選択肢は最初から検討対象でした。けれど、現場の運用がPower Automate前提で回っている以上、リプレースは事業のリズムを壊す という結論に至りました。
案A: GASやNode.jsへ全面リプレース
メリットは、コードベースで一元管理できること。デメリットは、現場の運用変更とセットになり、改修期間中の業務影響が読めない こと。今回は障害対応の温度感も含むため、リプレースを並走させると本筋が止まります。
案B: 既存のPower Automateフロー上で改修(採用)
採用したのは、いま動いているフローの構造を尊重し、ピンポイントで動作を直す アプローチです。
- 第1回: 想定通り動かないステップの原因特定と修正
- 第2回: 第1回の対応結果を踏まえた追加改修と運用調整
「いきなり大きく変えない」「運用の連続性を最優先する」を、案件全体の方針として明確化しました。
あえて採用しなかった選択肢
- 別RPAツールへの移行: 学習コストと既存資産の捨てコストの両方を抱えるため見送り
- コード基盤への全面リプレース: メリットはあるが、いまのタイミングで運用を止める正当性がない
- 「ついでだから」全部直す式の提案: 障害対応と機能追加が混ざる時こそ、範囲を握って小さく直す
「やらないことを先に握る」のは、保守案件で一貫している判断軸です。
実装内容

対応領域
- 既存Power Automateフローの読解: クラウドフロー側のステップを一通り確認し、想定挙動と実挙動の差を整理
- 動作不具合の原因特定: API仕様・認証・条件分岐のいずれに起因するかを切り分け
- 必要なステップだけ改修: 触る範囲を最小化し、影響面を抑える
- 運用側との調整: 「次に同じ事象が起きたら、どこを見ればいいか」を伝達
工夫した点
- 「触った範囲」「触らなかった範囲」を必ず明示: 改修後の挙動を運用側が把握しやすくする
- テスト投稿を運用側のリズムで実施: 業務時間と本番投稿に影響しない時間帯で確認
- 追加改修の余地を残す設計: 第1回で「次にやるべき範囲」が見えたら、第2回で素直に着手
派手な技術ではなく、「動いている運用を壊さない」 ことだけを徹底しました。
成果
- 対象フローの不具合解消: 想定通りに動く状態に復旧
- 2回にわたる継続発注: 第1回の対応を踏まえて第2回を発注いただいた
- 運用側の安心感: 「同じ事象が起きてもまた相談できる」状態の構築
クライアントの声(趣旨は保ち、表現は脚色):
必要な範囲を見極めたうえで、丁寧にご対応いただきました。最後まで安心してお取引でき、また次の改修もお願いしたいと感じています。
短いやり取りでも、「次もお願いしたい」と言っていただけたことが、この案件の最大の指標 です。地の文としても、スピードそのものではなく、確実性を重視した進行で安心感を積み上げる方針で臨みました。
私の働き様
β:検討プロセス(一人称で振り返り)
エピソード1:リプレースを提案しなかった理由(→ ビジネスに寄り添う/ちゃんと動く)
技術者としては、Power AutomateからGASやNode.jsへ移行を提案したくなる場面でした。けれど、現場の運用はPower Automate前提で回っており、いま乗り換えるメリットは「将来楽になるかもしれない」しかない。「将来の楽」のために「いまの業務」を止める提案はしない、という線をここで引きました。
エピソード2:触る範囲を最小化した理由(→ ちょうどいい/思考プロセス)
「いっそ全部見直しましょう」と言うのは簡単ですが、触った範囲だけ責任を持てる のが保守の現実です。範囲を広げるほど、副作用の可能性も広がります。「直すべき箇所だけを、確実に直す」 に徹しました。第2回の発注をいただいたのは、この範囲設定が信頼につながった結果だと考えています。
エピソード3:第1回で全部やり切らなかった理由(→ 思考プロセス/ビジネスに寄り添う)
第1回の調査で「次に直すべき範囲」も見えていましたが、その場で全部やろうとせず、いったん運用に戻して様子を見る選択 をしました。1回で完璧を目指すと、運用側のキャッチアップが追いつかない ことを、過去の保守案件で何度か経験しています。段階を分けるのは、運用側のためでもあり、自分のためでもあります。
α:コミュニケーション抜粋(自分の発言だけ)
クライアントとのやり取りから、価値観の軸が出ている自分の発言だけを抜粋します。
「まずは現状のフロー構造を尊重し、想定通り動いていない箇所だけを直す方針 で進めます。別ツールへの移行提案は、今回はあえてしません。」
「触ったステップと、触らなかったステップを後ほど整理して共有します。運用側が次にどこを見ればよいかが分かる状態 にして納品します。」
「次に直しておくと運用が楽になりそうな箇所も見えていますが、いったん今回の改修で運用に戻し、必要であれば次回以降に着手する 段階分けでお願いできればと思います。」
これらの判断軸は、ノーコード/RPAの保守案件で共通して持ち込んでいます。派手なリプレースより、ちゃんと動いて、ビジネスに寄り添えて、ちょうどいい。
学び・横展開
このPower Automate × WordPress 改修案件から整理できた、BENTEN Web Worksとして他案件にも応用している判断軸は3つです。
- 既存ツールの選定を尊重する: 「あとから来た人」がツール選定をひっくり返さない
- 触る範囲を最小化する: 副作用は範囲に比例する。直す箇所だけ、確実に直す
- 段階的に発注いただく前提で見積もる: 一気に全部より、必要に応じて続けて相談できる関係を作る
ノーコード/RPA/GAS/クラウドフロー連携で組まれた業務自動化の保守は、「作った人がいなくなった瞬間に止まる」リスクを常に抱えています。リプレースを急がず、まずは既存の上で動作を整える進め方が現実的です。
関連サービス
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