制作会社が管理しているサイト、自分たちの手に戻せますか?公民連携プロジェクトのサーバー移管と常時SSL化を引き継いだ事例|サイト保守・運用
制作内容
制作会社が管理しているサイト、自分たちの手に戻せますか?
立ち上げのときに制作会社へ依頼したサイトが、そのまま制作会社のサーバーで動いている。担当者が変わる、体制が変わる、そのタイミングで「これ、どうやってこちらに引き取るんだろう」と手が止まる。
この記事は、そういう引き継ぎを実際にやった記録です。対象は、大阪市港区発の防災啓発プロジェクト「おもてなし防災」の公式サイト(https://omotenashi-bosai.jp/)です。
クライアント概要
- クライアント: 企画屋プレス 山口照美様(おもてなし防災プロジェクト事務局)
- プロジェクト: 外国から来たお客様を災害時に守る、という視点の防災啓発プロジェクト
- 協力: FUKKO DESIGN / TBWA HAKUHODO
- サイト構成: 静的サイト(Astro ビルド)
- 依頼: 制作会社の管理環境からのサーバー移管と、以降の保守・運用
背景:体制が変わると、サイトの置き場所も変わる
このプロジェクトは行政が起点になって立ち上がったもので、サイトも立ち上げ時に広告会社が制作・管理していました。その後、事務局が民間(企画屋プレス様)に移ります。
行政主導の事業は担当者がいなくなると消滅してしまうことが多い。だから民間に立場を変えて事務局を引き受ける、というのが山口様の考えでした。その考え方をWebの側で支えるには、サイトの管理権限そのものを事務局の手元に移す必要があります。
課題:移管は「動かす」だけでは終わらない
移管というと、ファイルを新しいサーバーに置いてDNSを向け替えれば終わり、と思われがちです。実際にはそこからが本番でした。
- 旧環境の痕跡がサイトの中に残っている:SNSでシェアしたときに参照されるURL(OGP)が、制作時のテストサーバーを指したままでした。見た目には一切出ないので、移管作業だけしていれば気づけません
- 表記が旧体制のまま:肩書、事務局名、協力団体の並び、問い合わせ先のメールアドレス。どれも体制が変わった以上そのままにはできません
- HTTPSが有効にならない:ネームサーバーの切替前にSSL証明書を申請していたため、発行に失敗していました
つまり引き継ぎの仕事は、移設そのものより「旧体制の残り物を洗い出すこと」のほうが分量がありました。
対応したこと
1. 移管前に現状を保全して差分を取れるようにした
いきなり移すのではなく、まず旧環境の内容をまるごと取得し、移管後に同じものが出ているかを突き合わせられる状態を作りました。移管作業で最も困るのは「何かが欠けたことに後から気づく」ことなので、比較できる材料を先に用意しています。
2. 新サーバーへの移設とDNS切替
事務局側で契約したレンタルサーバーへ設置し、ネームサーバーを切り替えました。契約するサーバーの選定段階からご相談いただいています。
3. 常時SSL化とリダイレクト
証明書の発行が失敗していた原因(切替前の申請)を切り分け、取り直していただいたうえで、HTTPでアクセスされても自動的にHTTPSへ転送されるよう設定しました。
4. OGP参照URLの全ページ横断での修正
旧テストサーバーを指していたOGPを、全ページにわたって本番URLへ直しました。SNSでの拡散が前提のプロジェクトなので、ここが壊れていると広報の努力がそのまま目減りします。
5. 体制変更の反映
肩書の更新、事務局表記の差し替え、協力団体の並びの整理、問い合わせ先メールアドレスの変更。ロゴの差し替えも含めて対応しました。

MESSAGE のページ。区長退任にあわせて肩書を改め、のちに「防災士」を加えました。文章も新しい版に差し替えています。
公開後も続いていること
移管が終わってからも、サイトは動き続けています。
- 掲載していた啓発ポスターの新版への差し替えと、古い版の取り下げ
- 期間限定の文言や、役目を終えた参加条項の整理
- 代表コメントの改稿、肩書への「防災士」の追加
- パートナーズ一覧への追加と、個別ページの新規公開

TOOLS のページ。誰でもダウンロードして使える啓発ツールが並びます。役目を終えた版を取り下げ、新版に入れ替えるのが更新の中身でした。

パートナーズ一覧。事務局が民間へ移ったことに合わせて企画屋プレスさまを追加し、個別ページも新しく公開しました。当方もパートナーとして並んでいます。
「いつでも言ってください」と言える関係を維持しておくと、こうした更新が溜まらずに済みます。サイトが古びる原因の多くは、直す技術がないことではなく、頼む先がないことです。
本事例の総括とポイント
- 引き継ぎは、移設よりも棚卸しが本体。旧環境を指したままの設定は見た目に出ないので、移す作業だけをしていると素通りします
- 証明書は切替の順番で失敗する。ネームサーバーを向け終わってから申請する、という順序を守るだけで避けられます
- 移管前の保全は、後から効いてくる。比較できる材料がないと「欠けたかどうか」を議論できません
- 体制が変わるタイミングは、サイトが止まるリスクが最も高い。担当者の交代・事務局の移管・制作会社との契約終了は、いずれもその瞬間です
こんな方はご相談ください
- 制作会社が管理しているサイトを、自分たちの管理下に引き取りたい
- サーバーの契約から移管、公開後の更新までまとめて任せたい
- 組織の体制が変わったので、サイトの表記を現状に合わせたい
- HTTPSになっていない・SNSでシェアすると表示が崩れる、といった積み残しを解消したい
サイトの引き継ぎ・移管と、その後の保守運用のご相談は、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
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